身近な発酵食品の種類とは?効果・効能や食べ合わせのおすすめも紹介

健康に良いといわれる発酵食品。しかし、具体的にどのような種類があるのか、どのような効果効能があるのか知らない人も多いのではないでしょうか。

この記事では、身近な発酵食品の種類、効果・効能、おすすめの食べ合わせについて解説します。「発酵食品を食べるメリットを知りたい」「食べるときの注意点を知りたい」という人は、ぜひ最後までご覧ください。

発酵食品とは

発酵食品とは

発酵食品とは、微生物のはたらきによって食材のうま味や栄養価が高められた食品です。

発酵のメカニズムと、発酵を促す微生物の種類について解説します。

発酵のメカニズム

発酵とは、微生物のはたらきによって有益な物質が生み出される現象です。

微生物は、食品に含まれる栄養分(有機物)を分解して、別の物質へと変化させます。例えば、醤油の場合はタンパク質を分解してアミノ酸を作り出します。

発酵とは逆に、微生物のはたらきにより人に有害な物質が生み出される現象は腐敗と呼ばれます。

発酵を促す微生物の種類

発酵食品を作る際に用いられる微生物は、細菌・酵母・カビの3種類があります。

種類 特徴
細菌 ヨーグルトを作る乳酸菌、納豆を作る納豆菌など。
酵母 ブドウ糖をアルコールと二酸化炭素に分解する微生物。パンや酒などを作る時に必要。イースト菌など。
カビ 麹菌、白カビ、青カビなどがあり、酒やチーズ、味噌などが作られる。発酵に使われるカビには毒がない。

細菌のみで作られていたり、細菌と酵母で作られていたりと、発酵食品によって用いられる微生物は1種類とは限りません。

発酵食品の効果・効能

発酵食品の効果効能

発酵食品には次の効果・効能があります。

  • 腸内環境の改善
  • 免疫力アップ
  • 生活習慣病の予防
  • 肌荒れの改善

それぞれ解説します。

腸内環境の改善

乳酸菌や納豆菌は、腸内の悪玉菌の増殖を抑える効果があります。腸内フローラのバランスが改善されて、便秘解消効果が期待できるでしょう。

腸内環境が改善すると、メンタル面でも利点があります。精神を安定させる神経伝達物質の一種であるセロトニンは、腸と脳で分泌されます。腸内環境の改善により、セロトニンバランスが保たれるわけです。不安やイライラが減り、精神安定効果が期待できるでしょう。

免疫力アップ

発酵食品は、病原菌と戦う免疫細胞を活性化させ、免疫力を向上させます。醤油や味噌に含まれる乳酸菌は、免疫細胞を活性化させる働きをもつ微生物です。

生活習慣病の予防

発酵食品を摂取することで、コレステロール値や中性脂肪値の上昇を抑える効果も期待できます。

乳酸菌には、血液壁についた悪玉コレステロールを取り除く働きがあるといわれています。脂肪の分解を促進し、中性脂肪の上昇を抑えるのは酢酸菌と呼ばれる細菌の働きです。

また、納豆菌にもコレステロール値の低下や抗酸化作用があり、生活習慣病の予防に役立ちます。

肌荒れの改善

カビの一種である麹菌には、シミやくすみの原因となるメラニン色素の生成を抑制する効果があります。乳酸菌や納豆菌の摂取により腸内環境が整うと、肌荒れの改善効果も期待できるでしょう。

身近な発酵食品の種類

身近な発酵食品の種類

一口に発酵食品といっても、その種類はさまざまです。身近な発酵食品の種類と、それぞれの特徴を紹介します。

種類 特徴
日本酒 米に酵母菌や麹菌を加え、発酵させて作る。麹菌がデンプンを糖化する。
ワイン 原料であるブドウにワイン酵母を加えて作る。赤ワインは、ブドウの実から皮まで丸ごと使うためポリフェノールが豊富。
ビール 麦が原料。麦芽のデンプンを糖化し、ビール酵母を加えて発酵させる。

調味料

種類 特徴
味噌 大豆、麹、塩が原料。米麹、豆麹、麦麹など、さまざまな種類がある。常温で10ヵ月から1年ほど熟成させる。
醤油 大豆、小麦、麹、塩が原料。麹菌の酵素が、大豆のタンパク質を分解することで作られる。醤油乳酸菌や酵母などのはたらきで熟成する。
みりん もち米、米麹、焼酎が原料。麹菌に含まれるアミラーゼという酵素がデンプンを糖化することで作られる。
酒に酢酸菌を加えて作る。米酢、穀物酢、バルサミコ酢など、さまざまな種類がある。

豆類・野菜

種類 特徴
納豆 大豆と納豆菌によって作られる。
キムチ 塩で漬けた白菜やキュウリなどの野菜に、唐辛子などを混ぜて発酵させる。
ぬか漬け 米ぬかと塩を混ぜたものに、野菜を漬けて発酵させる。

乳製品

種類 特徴
ヨーグルト 乳に乳酸菌を加え発酵させて作る。
チーズ 乳に乳酸菌や酵素を加えて作られる。加熱処理の有無など、チーズの種類によって製造方法が異なる。

肉・魚

種類 特徴
生ハム 豚肉を塩漬けし、乾燥・熟成させる。
サラミ 挽肉に塩やスパイスなど加え、腸詰めにし、乾燥・熟成させる。
アンチョビ 原料はカタクチイワシ。カタクチイワシが持つ消化酵素によって、発酵が進む。

発酵食品と組み合わせたい食べ物の種類

組み合わせたい食べ物の種類

多くの効果・効能がある発酵食品ですが、せっかくならより効果的に摂取したいですよね。発酵食品と組み合わせたい食べ物の種類を紹介します。

前提として、発酵食品同士の場合、悪い食べ合わせはありません。発酵食品そのものの栄養価が高いため、複数種類を組み合わせると、それぞれの良いものが体に取り入れられます。

発酵食品と相性の良い食べ物の種類は次のとおりです。

  • 納豆×キムチ
  • 梅干し×昆布
  • 味噌×ゴボウ
  • 塩麹×パスタ

さまざまな種類の発酵食品をバランス良く食べましょう。

発酵食品の1日の摂取量

発酵食品の1日の摂取量

発酵食品の種類によって、推奨される1日あたりの摂取量が異なります。代表的な発酵食品の種類と、1日あたり摂取量の目安は以下のとおりです。

発酵食品の種類 1日あたり摂取量の目安
納豆 1パック
ヨーグルト 100〜200g
味噌 大さじ1/2(9g)
チーズ 20g
大さじ1〜2(15〜30g)

上記はあくまで目安の量ですので、ご自身の体調にも配慮しながら調整してください。

発酵食品のなかには塩分が多い種類もあるため、他の成分にも注意しながら食べることが大事です。

発酵食品を食べ続けるとどうなる?

発酵食品を食べ続けると、腸内環境が改善されたり、免疫力が向上したりします。毎日食べ続けることで徐々に効果があらわれるため、日々の習慣として食べ続けましょう。

ただし、食べ過ぎには注意が必要です。カロリー過剰や塩分過多など、発酵食品の種類によっては、食べ過ぎが健康を害することもあります。

一度にたくさん食べるのではなく、毎日少しずつ食べるように意識するのがポイントです。

まとめ:発酵食品の種類をチェックして健康的な食生活を

発酵食品の種類まとめ

発酵の仕組みや発酵食品の効果効能、種類、効果的な食べ方について解説しました。

微生物のはたらきによって作られている発酵食品。発酵食品を食べると、腸内環境の改善や免疫力向上、生活習慣病の予防、肌荒れの改善といった効果が期待できるため、積極的に摂取することをおすすめします。

いろんな種類の発酵食品を食べて、健康的な生活を送りましょう。