完全栄養食だけで生活は危険？デメリット4つと解決策を紹介

人間が健康を維持するために必要とされる栄養素をバランスよく摂取できる完全栄養食。

1日に必要な栄養素を手軽に補えるものの、完全栄養食だけで生活するのはおすすめしません。

この記事では、完全栄養食だけで生活するデメリットや、メリットを活かしたおすすめの食べ方について解説します。

完全栄養食のデメリット

咀嚼回数が減る

デメリットの1つ目は、咀嚼回数が減ることです。

完全栄養食は、やわらかい食材やドリンク状のものが多いため、通常の食事に比べて咀嚼回数が減少します。

顎の筋肉が衰えると、硬い食べ物を食べられなくなったり、歯並びが悪くなったりする可能性があります。

咀嚼回数が少ないと脳の満腹中枢が満たされず、間食しやすくなるというのもデメリットの1つです。

消化器官が衰える

液体やパウダー状の完全栄養食だけで生活して、固形食の摂取がほとんどない場合、口から胃までの消化器官の筋肉があまり使われなくなる可能性があります。

腕や足の筋肉と一緒で、消化器官の筋肉も「使わないと衰える」という原則にもとづいています。

また、摂取する完全栄養食が食物繊維を含んでいない場合、消化器系全体、特に大腸の機能が低下する可能性があります。

食物繊維は、消化器官を正常に機能させるために必要な栄養素です。食物繊維が不足すると便秘や腸の問題につながるケースもあるでしょう。

カロリーが不足しやすい

完全栄養食は、理論的には体が必要とする全ての栄養素を適切なバランスで摂取できるように設計されています。

1日に必要なカロリー量も計算されているため、適切に摂取すれば、理論上はカロリー不足になることはないはずです。

しかし、現実的には複雑な要素が影響し合っており、パッケージに記載されたカロリー量が実際の必要量と一致するとは限りません。一部の完全栄養食は食事の補助として設計されており、必要なカロリー量が不足していることもあります。

1日に必要なカロリー量は、年齢・性別・体型・身体活動レベルなどにより大きく異なるため、完全栄養食だけに頼るのはおすすめしません。

食事の時間を楽しめない

完全栄養食だけの生活は、効率よく栄養素を摂取できるというメリットがある一方で、食べること自体を楽しめないというデメリットもあります。

多くの人々にとって、食事は生活のなかで重要な時間であり、家族や友人と一緒に過ごす楽しいひとときです。

完全栄養食だけの食事では、家族団らんの時間を楽しむのが難しくなります。

完全栄養食のデメリット解決策

完全栄養食のデメリットを紹介してきましたが、メリットが大きいのも事実です。

4つのデメリットを解決できれば、完全栄養食のメリットを最大限に活かせるでしょう。

それぞれの解決策を紹介します。

ナッツと一緒に食べて咀嚼回数アップ

完全栄養食を普段の食事に組み込む際は、硬い食べ物と一緒に食べましょう。

ミックスナッツ・野菜スティック・カットフルーツなど、噛みごたえがあってヘルシーな食べ物がおすすめです。

咀嚼回数が増えることで、口腔内の筋肉がよく動き、消化酵素の分泌も促されます。

食物繊維を追加で摂取する

食物繊維は、腸内環境を整えるために大切な成分です。

完全栄養食にもある程度は含まれているものの、不足しやすい栄養素の1つであるため追加で摂取するとよいでしょう。

全粒穀物・野菜・果物・豆類などがおすすめです。

良質な脂質を取り入れる

カロリー不足が気になる人は、ナッツ類・アボカド・オリーブオイルと一緒に食べるとよいでしょう。

良質な脂質を積極的に取り入れることで、摂取カロリー総量を効率よく増やせます。

ヘルシーな食べ物を中心とした適度な間食を摂るのも選択肢の1つです。

完全栄養食だけで生活しない

完全栄養食は、あくまでも普段の食事の補助的に使うのがおすすめです。

1日3食すべて完全栄養食にするのではなく、1食だけ置き換える生活にすると、デメリットを最小限に抑えられます。

健康的な食生活を意識するのも大事ですが、家族や友人と好きなものを好きなように食べる時間も大切にしてくださいね。

完全栄養食のデメリットに関する質問

完全栄養食だけの生活で必要な栄養素をすべて摂取できる？

理論的には、完全栄養食は人間の身体が必要とする全ての栄養素を含むように設計されています。

しかし完全栄養食はあくまでも加工食品であり、生の野菜や果物、肉、魚などの生鮮食品に含まれる栄養素のなかには、摂取できないものもあります。

また、生活するうえで必要な栄養素には個人差もあるため、パッケージに表記された摂取量を守ったからといって、必要十分な栄養素が満たされるとは限りません。

長期間にわたって完全栄養食だけで生活するとどうなる？

完全栄養食だけの生活を長期間続けると、記事前半で述べた4つのデメリットが加速する恐れがあります。

栄養バランスの面では、理論上は生活できるものの、それ以外の「顎の筋肉の衰え」や「食事を楽しめなくなる」といったデメリットが問題になるでしょう。

食事から得られる「栄養素以外のメリット」にも注目するのが大事です。

まとめ：完全栄養食のデメリットに注意しよう

完全栄養食は、うまく使えば効率よく栄養素を摂取できる便利な食べ物です。

4つのデメリットの解決策を参考にしながら、日々の食事に取り入れてみてください。