【農業の人手不足問題】深刻な現状と悪影響を徹底分析!解決策はある?

  • 2023年12月18日
  • 農業
  • 253回

農業の人手不足問題が、急激に深刻化しています。後継者不在により離農する農家が後を絶たず、農業従事者の数は、ここ数年間で減少し続けています。

これまでに築き上げてきた農場の伝統を受け継ぐためには、自分たちの農場に適した人材を採用しなければなりません。

そこで今回は、農業の人手不足問題の原因や悪影響、解決策などを紹介します。「若くて活力のある仲間が欲しい」「農場の後継者を探している」という方は、ぜひ最後までご覧ください。

農業の人手不足問題とは

農業分野では、慢性的な人手不足が深刻化しています。

農業従事者の高齢化、後継者不足により、離農する農家が後を絶ちません。

農業従事者の平均年齢は70歳近くになっており、「自分の代で終わってしまうのではないか」と不安を抱えながら日々の仕事に打ち込んでいる方も多いでしょう。

若い世代の労働力不足による生産性の低下、後継者不在による耕作放棄地の増加など、農業領域における人手不足問題は年々深刻化しているのが現状です。

人手不足による農業への悪影響

農業領域における人手不足は、以下のような悪影響につながります。

  • 1農家あたりの生産量低下
  • 過労による生産性の低下
  • 雑草や病害虫による被害拡大
  • 衛生面での近隣環境への悪影響
  • 農村コミュニティの衰退
  • 食料自給率の低下
  • 耕作放棄地の増加

このような悪影響を防ぐためには、まずは農業に従事する人手を確保しなければなりません。

データで見る農業の人手不足の現状

農業の人手不足がどれだけ深刻化しているのか、実際のデータを見ながら解説します。

日本の農業人口の割合

総務省の調査によると、日本の農業人口の割合は以下のようになっています。

産業(大分類)、15歳以上就業者の割合ー全国(2015年~2020年)
産業 2015年の割合(%) 2020年の割合(%)
農業
林業
3.4 3.0
建設業 7.7 7.4
製造業 16.9 15.9
運輸業
郵便業
5.5 5.6
卸売業
小売業
16.1 15.8
宿泊業
飲食サービス業
5.9 5.6
教育
学習支援業
4.8 5.1
医療
福祉
12.4 13.5
サービス業
(他に分類されないもの)
6.5 6.9
その他 20.8 21.1

(参考:総務省統計局「令和2年国勢調査」)

上記データは、5年に一度実施される国勢調査のデータです。

2020年のデータでは、農業・林業に従事する人の割合は全体の3.0%となっており、2015年のデータと比較すると、0.4%減少していることが分かります。

0.4%という数字だけ見れば、ほとんど変わっていないように見えますが、実際はどうなのでしょうか。

2015年の農業・林業従事者を「100」とすると、2020年の従事者は約「88」となります。

農業・林業従事者だけでみると、たった5年で約12%減少しており、人手不足問題が深刻であることが分かります。

年齢別の農業人口

続いて、年齢別の農業人口を見てみましょう。
農林水産省の調査によると、基幹的農業従事者の平均年齢の推移は以下の通りです。

基幹的農業従事者(個人経営体)
調査年 基幹的農業従事者
(万人)
うち65歳以上
(万人)
平均年齢
(歳)
令和2年 136.3 94.9 67.8
令和3年 130.2 90.5 67.9
令和4年 122.6 86.0 68.4
令和5年 116.4 82.3

(参考:農林水産省「農業労働力に関する統計」)

基幹的農業従事者とは、仕事として主に自営農業に従事している人を指します。

調査データから、人数は減少しており、平均年齢は上昇していることが分かります。

農業における人手不足・高齢化の現状が、顕著にあらわれている調査結果といえるでしょう。

農業人口が減少している理由とは

なぜ、日本の農業人口は減少し続けているのでしょうか。農業人口が減少している理由として、以下のような問題が考えられます。

  • 新規就農者が減少している
  • 離農者が増加している

農業の人手不足を解消するためには、「新規就農者を増やす施策」「離農者を減らす施策」という2つの軸で解決策を考えなければなりません。

農業の人手不足の解決策

ここからは、農業の人手不足を解消するための解決策を、いくつか紹介します。

農業就業人口を増やす

  • 新規参入のハードルを下げる
  • 所得水準を向上させる
  • 若者向けのブランディング

人手不足の解決策1つ目は、新規の農業就業人口を増やすことです。

農業に興味関心はあるものの、参入できずにいる人は、意外に多く存在します。

まずは、そのような人たちの背中をそっと押してあげるような施策を行うのがベストです。

農業就業人口を増やすための施策例
新規参入増加 農業体験を行い、農業の楽しさを知ってもらう
所得水準向上 生産性を高めて、従業員の所得水準を向上させる
ブランディング AI・機械化を推進し、肉体労働のイメージを払拭する

求人サイトへの求人募集掲載、各種メディア媒体への広告出稿も大事ですが、それらの成功・失敗は「農業って楽しそう!」というブランドイメージの有無に左右されます。

インターネットを活用したブランディング施策を行ったうえで求人募集を出すと、農業に対して熱意を持った若者を集められるでしょう。

離農人口を減らす

  • 農村コミュニティを活性化させる
  • 労働条件の見直しを行う
  • DX推進により負担を減らす

人手不足の解決策2つ目は、離農人口を減らすことです。

長年の経験がある農家が離農するのは、日本の農業全体にとっても大きな痛手となります。

離農人口を減らすための施策例
コミュニティ 地域のつながりを強化して、助け合える関係性を作る
働きやすさ 労働条件を見直し、ワークライフバランスを保つ
業務量軽減 DX推進により、一部の仕事を自動化する

離農人口を減らすには、高齢者にとって働きやすい労働環境を整備することが大切です。

業務オペレーション改善による生産性の向上、DX推進による業務量軽減に取り組む必要があります。

また、農業従事者どうしで支え合えるような地域コミュニティ構築も重要なポイントです。

農家が主体となって動くだけでなく、自治体のサポート体制も整えると、より充実した農村コミュニティを構築できるでしょう。

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まとめ:農業の人手不足問題を解決しよう

農業分野では、慢性的な人手不足が問題となっています。後継者不在により離農する農家が後を絶たず、農業従事者は年々減少しているのが現状です。

人手不足問題を解決するには、戦略的な人材採用、離農防止のための施策が欠かせません。これまでに築き上げた農場を次の世代に引き継ぐためにも、今この瞬間から採用活動を始めましょう。