卵は完全栄養食として物足りない?効果的な食べ方と組み合わせたい食材を紹介

卵は私たちの食卓に欠かせない食品の1つです。栄養価の高さから、完全栄養食と呼ばれています。しかし、具体的にどのような栄養素が含まれているのか知らない人も多いのではないでしょうか。

この記事では、卵が完全栄養食と呼ばれる理由や、期待される効果・効能、おすすめの食べ方について解説します。「卵を食べるメリットを知りたい」「食べるときの注意点を教えてほしい」という人は、ぜひ参考にしてください。

卵が完全栄養食と呼ばれる理由

完全栄養食とは、健康を維持するために必要な栄養素をすべて含んだ食品です。

卵は完全栄養食と呼ばれる食品ですが、どのような栄養素が含まれているのでしょうか。

卵に含まれる栄養素、含まれない栄養素を解説します。

卵1個に含まれる栄養素

栄養素 含有量 割合※
エネルギー 77kcal 約4%
タンパク質 6.6g 約17%
脂質 5.5g 約18%
ビタミンA
(レチノール当量)
110μg 約24%
ビタミンB2 0.2mg 約20%
ビタミンB6 0.05mg 約5%
ビタミンB12 0.6μg 約30%
ビタミンD 2.1μg 約25%
ビタミンE
(α-トコフェロール)
0.7mg 約14%
葉酸 26μg 約13%
カルシウム 25mg 約5%
マグネシウム 5mg 約2%
リン 92mg 約12%
0.8mg 約12%
亜鉛 0.6mg 約9%

※卵1個あたりの栄養素量が1日の食事摂取基準に占める割合
出典:MALUCANE「たまご1個で摂れる1日に必要な栄養素

卵はタンパク質が豊富なうえに、ビタミン・ミネラルも含む栄養バランスのよい食品です。

卵に含まれるタンパク質はアミノ酸スコアが高く、良質なタンパク質だといわれています。

アミノ酸スコアとは、食品に含まれるタンパク質と必須アミノ酸のバランスのよさを数字であらわしたもの。アミノ酸スコア100(最高値)の食品は、卵・大豆・牛乳など。
出典:厚生労働省「e-ヘルスネット

卵が完全栄養食と呼ばれるのも納得ですね。

卵に足りない栄養素

卵に足りない栄養素として有名なのが、ビタミンCと食物繊維です。

栄養素 役割
ビタミンC メラニン色素の生成を抑制する
抗酸化作用がある
食物繊維 胃腸の調子を整える
血糖値の急上昇を抑える

卵を食べるときは、ビタミンCと食物繊維も一緒に摂ると、より栄養価の高い食事になるでしょう。

卵の効果・効能

  • 疲労回復
  • 記憶力向上
  • 老化防止

疲労回復

卵・肉・魚などに含まれるタンパク質は、筋肉をつくったり、疲労を回復したりするために欠かせない栄養素です。

  • 筋肉の修復
  • エネルギー源
  • 食欲抑制
  • 代謝アップ

タンパク質が不足すると、むくみ・筋力低下につながり、疲れやすい体になります。

筋肉量や代謝効率をアップさせて疲れ知らずの体にするためにも、卵を積極的に食べましょう。

記憶力向上

卵に含まれるビタミンA・ビタミンEには、抗酸化作用があります。老化の原因となる活性酸素の発生を抑制し、体内の酸化を防ぎます。

体内に取り込まれた酸素の一部が、通常よりも活発になった状態。免疫機能・感染防御の役割を担うものの、増えすぎると必要な細胞を傷つける。

活性酸素は年齢とともに増え続けるため、人間の体は徐々に酸化しやすくなります。

抗酸化作用のあるビタミンAやビタミンEを積極的に摂ると、老化を遅らせることができるでしょう。

卵の効果的な食べ方

完全栄養食と呼ばれる卵ですが、食べ過ぎには注意が必要です。

1日あたりの摂取量や、食べ合わせのよい食材について解説します。

卵を毎日食べるとどうなる?

卵の摂取量は、2日で1個を目安にするとよいでしょう。

以前は卵を毎日食べても問題ないとされていましたが、2020年の「日本人の食事摂取基準」によると、1日1個はリスクがあるという結論になっています。

日本人の食事摂取基準において、少なくとも循環器疾患予防の発症予防の観点から目標量(上限)を設けるのは難しいが、これは許容されるコレステロール摂取量に上限が存在しないことを保証するものではなく、脂質異常症の重症化予防の観点からは、200 mg/日未満に留めることが望ましい。
引用:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より

卵1個のコレステロール値は約250mgです。脂質異常症の重症化を予防するためには、2日で1個くらいの摂取量が推奨されています。

卵と組み合わせたい食材

卵と相性がよいのは、ビタミンCと食物繊維を豊富に含む食材です。

  • ブロッコリー
  • パプリカ
  • じゃがいも
  • キウイ
  • いちご
  • 豆類
  • きのこ類
  • 海藻類
  • 根菜類

特におすすめなのがブロッコリーです。ブロッコリーにはビタミンCが多く含まれており、食物繊維も豊富です。卵に足りない栄養素を補ってくれるため、相性バツグンの組み合わせといえます。

ブロッコリーは生で食べるか、電子レンジでの加熱がおすすめ。ゆでると水溶性のビタミンCが流出するので気をつけましょう。栄養素だけでなく調理方法にも注目すると、完全栄養食の卵を活かした食事になりますよ。

まとめ:完全栄養食の卵を食べよう

タンパク質・ビタミン・ミネラルが豊富な卵は完全栄養食と呼ばれています。疲労回復や記憶力向上、老化予防といった効果が期待できるため、積極的に摂取したい食品の1つです。

ビタミンCと食物繊維は卵に含まれていないので、他の食材から摂る必要があります。組み合わせや調理方法にも気をつけながら、栄養バランスのよい食事を心がけましょう。