五大環境問題とは?現状と原因、解決に向けてできること

数ある環境問題のなかでも、私たちの生活に深く関わるものを「五大環境問題」と呼びます。五大環境問題は徐々に深刻化しており、解決に向けた早急な対策が必要です。

日本のように自然が豊かな国では、五大環境問題の悪影響が大きくなりがちです。経済発展が止まったり、食料危機に陥ったりするリスクもあるため、問題意識を強く持たなければなりません。

この記事では、五大環境問題の現状と原因、解決に向けてできることを紹介します。日本の豊かな自然環境を守るためにも、ぜひ最後まで読んで実行に移してみてください。

環境問題とは

環境問題とは

環境問題とは、自然環境の変化や破壊により、生態系に悪影響を及ぼす問題です。人類の暮らしが発展してきた過程で、水や空気を汚染する物質が発生したことが原因と考えられています。

環境問題は世界中で注目されており、解決に向けた対策を行うために、さまざまな協定や条約が結ばれています。

「パリ協定」や「地球温暖化対策計画」は、その一例です。日本では、これらの協定・計画に基づき、2030年までに温室効果ガス排出量を46%削減することを目標にしています。
(出典:外務省「気候変動 日本の排出削減目標」/https://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ch/page1w_000121.html

五大環境問題の現状と原因

地球規模で発生する環境問題は、大きく5つに分類されます。以下の5つの総称が「五大環境問題」と呼ばれるものです。

  • 地球温暖化
  • 海洋汚染
  • 水質汚濁
  • 大気汚染
  • 森林破壊

五大環境問題の現状と原因について見ていきましょう。

地球温暖化

地球温暖化

地球温暖化とは、大気中にあるガスが地表から放出される熱を吸収し、地球全体の気温が上昇する現象です。熱が地球の外側に放出されず、空気中に止まることで、徐々に温度が上昇します。

地球温暖化の原因になるのは、二酸化炭素・メタン・一酸化炭素などの温室効果ガスと呼ばれる物質です。温室効果ガスには、地球を適温に保つ役割があるものの、増えすぎると気候変動につながります。

地球温暖化の影響で、日本の平均気温も上昇しています。2022年には、1898年の統計開始以降、4番目に高い値を記録しました。

海洋汚染

海洋汚染

海洋汚染とは、人為的な要因により海が汚染される現象です。プラスチック製のゴミや産業廃棄物、石油の流出、生活排水の流出が主な原因です。

海洋汚染は、生物多様性に悪影響を及ぼしたり、漁獲量減少につながったりする環境問題です。豊富な海産資源に恵まれた日本にとっては、被害が大きい環境問題の1つといえるでしょう。

海洋汚染による被害の例として、海に漂流するプラスチック製漁具がアザラシの体に絡まるといった事故がありました。他にも、海洋生物の産卵場所の減少、サンゴ礁の成長阻害など、生態系への悪影響が後を絶ちません。

水質汚濁

水質汚濁

河川や池、湖などが汚染されることを水質汚濁といいます。過去には日本でも水質汚濁が発生し、生態系や人体へ悪影響を及ぼしたことで問題となりました。

水質汚濁の原因は、主に次の3つです。

  • 産業排水
  • 生活排水
  • 水温上昇

家庭から排出される生活排水も原因の1つであるため、個人で行う対策も重要です。

水質汚濁の度合いをあらわす方法として、BOD(生物化学的酸素要求量)・COD(化学的酸素要求量)という指標があります。BOD・CODの環境基準達成率は徐々に改善傾向にあるものの、湖沼・内湾・内海などの閉鎖性水域では、環境基準の達成率が不十分な状態です。
(出典:環境省水・大気環境局「水質汚濁対策」/https://www.env.go.jp/content/900397225.pdf

大気汚染

大気汚染

大気汚染とは、自動車の排気ガスや工場から排出される有害物質が原因で発生する環境問題です。大気中の有害物質の吸引により、健康被害が生じます。

近年、問題とされているのがPM2.5と呼ばれる大気汚染物質です。

PM2.5とは、直径2.5マイクロメートルの小さな粒子のこと。主に中国で発生したものが近隣諸国に飛散して健康被害をもたらしている。

人がPM2.5を吸い込むと、気管や肺が障害されて、呼吸器系疾患につながるリスクも。PM2.5による問題を止めるため、中国と近隣諸国が持続的な対策について意見交換を続けています。

日本国内では、大気汚染防止法に基づき、大気汚染物質の種類や施設の規模による排出基準を設けています。

森林破壊

森林破壊

森林破壊とは、樹木の伐採や森林火災により、森林が減少または存在しなくなる状況です。主に南アメリカやアフリカなどで深刻な問題となっており、森林破壊による二次的な被害も増えています。

世界の森林面積は約40.3億ヘクタールで、全陸地面積の約31%を占めています。しかし、世界の森林は減少を続けており、毎年520万ヘクタールが減少しています(2000年から2010年までの平均)。
(出典:環境省「国際的な森林保全対策」/https://www.env.go.jp/nature/shinrin/index_1_2.html

2000年から2010年の間に森林面積が大きく減少したのは、ブラジル・オーストラリア・インドネシア・ナイジェリアなどの国です。一方で、この期間に森林面積が増えている国もあり、森林破壊には偏りがあります。

森林破壊が深刻になると、以下のような被害が生じます。

  • 土砂災害
  • 地球温暖化
  • 生物多様性の減少

人間や動物が生活するうえで、森林はなくてはならない存在です。

日本では、グリーンウッド法やグリーン購入法を定めるなどの対策をとっています。木材関係の事業者に対して規制を設けることで、過剰な森林破壊を防ぐのが目的です。

五大環境問題の解決に向けてできること

五大環境問題の解決に向けてできること

五大環境問題を解決するために、私たちにできることはあるのでしょうか?個人でできる5つの取り組みについて解説します。

  • 家庭のエネルギー源を変える
  • 生活排水に注意する
  • プラスチックの使用量を減らす
  • 自動車の使用を控える
  • 環境に配慮した製品を選ぶ

家庭のエネルギー源を変える

家庭で使用するエネルギー源の見直しは、地球温暖化対策として有効です。石油や天然ガスをエネルギー源とした電力プランを契約している方は、再生可能エネルギーを使用した電力プランへの変更を検討しましょう。

石炭・石油・天然ガスなどの化石燃料は、燃焼する際に大量の二酸化炭素を排出します。一方、再生可能エネルギーなら、二酸化炭素の排出を抑えながら電力を生み出せるため、温室効果ガスの削減に効果的です。

生活排水に注意する

生活排水への配慮は、海洋汚染や水質汚濁の防止につながります。日常生活で実践できる対策として、以下のような方法があります。

  • 洗剤を使いすぎない
  • 食器についた油を拭き取ってから洗う
  • 水辺で発生したゴミは持ち帰って処分する

水産資源が豊富な日本は、海洋汚染や水質汚濁の影響を受けやすい国です。豊かな水産資源を守るためにも、個人でできる身近な対策から取り組みましょう。

プラスチックの使用量を減らす

ペットボトルや卵パック、ビニール袋など、日常生活でも目にする機会が多いプラスチック製品。軽くて強く、大量生産しやすいプラスチックは、身の回りのあらゆる製品に使用されています。

しかし、プラスチックを製造・処分する過程では大量の温室効果ガスが発生するため、地球温暖化の原因として問題視されています。汎用性の高い素材として知られるプラスチックですが、環境問題の解決に向けて、使用量を減らすことが重要です。

  • マイバッグを持参する
  • マイボトルを持ち歩く
  • マイ箸を使用する
  • 通販では「簡易包装希望」と書く
  • 詰め替え用品は大容量のものを選ぶ
  • コンビニで箸・スプーン・レジ袋を断る

使い捨てのプラスチック製品ではなく、繰り返し使えるアイテムを用意しましょう。

自動車の使用を控える

自動車の使用を控えて、公共交通機関での移動を心がけると、地球温暖化・大気汚染の抑制につながります。自動車の排気ガスには多量の温室効果ガスが含まれており、これが地球温暖化の最大の原因といわれています。

短い距離の移動であれば、徒歩や自転車を選択するのも有効な手段の1つです。運動量が増えるうえに、ガソリン代の節約にもなります。

地球環境だけでなく、健康面・金銭面にも良い影響を及ぼすので、徒歩や自転車での移動を心がけると良いでしょう。

環境に配慮した製品を選ぶ

環境問題に対する意識の高まりから、近年は環境に配慮した製品も増えてきました。具体的には、以下のような製品があげられます。

  • ラベルのないペットボトル飲料
  • 再生紙で作られたティッシュ・トイレットペーパー
  • エコバッグ・紙ストロー
  • オーガニックコットン製品
  • トランスペアレントスピーカー

五大環境問題への直接的な影響だけでなく、製品の原材料や製造過程にも注目すると、環境にやさしい選択ができるでしょう。

まとめ:五大環境問題の対策をしよう

五大環境問題の対策をしよう

五大環境問題とは、地球温暖化・海洋汚染・水質汚濁・大気汚染・森林破壊の総称です。いずれも私たちの生活と深い関係のある環境問題であり、早急な対策が求められています。

五大環境問題を解決するためには、それぞれの原因を理解して、一人ひとりが適切な行動をとることが大切です。まずは個人でできる小さな取り組みから始めて、五大環境問題の解決を目指しましょう。