牛の1日ってどんな感じ?グラフを使って分かりやすく解説!

  • 2023年4月6日
  • 農業
  • 179回

「牛の1日の過ごし方」と聞いて、どのようなイメージを思い浮かべますか?「食べて寝ると牛になる」という言葉から、エサを食べてはぐっすり眠るという日々の繰り返しだと思い込んでいる方も多いでしょう。しかし、牛の睡眠時間は人間の半分程度だったり、実際にエサを食べている時間は人間とそれほど変わらなかったり、牛の生態はあまり知られていません。

そこで今回は、牛の1日の過ごし方をグラフで分かりやすく解説します。それぞれの行動に関する基礎知識や、なぜそのような行動をとるのかという理由についてもまとめました。「牛って普段は何をしているんだろう?」「牛の生態を理解して適切な飼養管理に役立てたい」という方は、ぜひ参考にしてください。

牛の1日の過ごし方をグラフで分かりやすく解説

牛の1日の過ごし方は、次のようになります。

牛の1日の過ごし方

  • 睡眠:4時間
  • 採食:3時間
  • 反芻:10時間
  • 搾乳:5時間
  • その他:2時間

牛の飼育環境や健康状態によって異なる場合もあるものの、一般的には上記のような過ごし方をしている牛がほとんどです。

立っているか寝ているかという視点で見てみると、1日あたりの起立時間は約14時間、横臥時間は約10時間となっています。起立時は、エサを食べたり搾乳されたり獣医師による診療を受けていたりする場合が多いです。横臥時は、食べたエサを反芻しているか眠っているかのどちらかです。

ちなみに牛は横臥状態になると体温が上がる傾向にあります。寒い時期になると全体的に寝ている牛が増えて、暑い時期になると立っている牛が増えるというのは、こういった背景もあるためです。

睡眠時間は1日4時間

牛の睡眠時間は、1日あたり3〜4時間程度といわれています。人間のようにまとまった睡眠時間を確保するのではなく、短時間の仮眠を合計すると3〜4時間になるというイメージです。いつも寝てばかりいるイメージの牛ですが、実際はかなりのショートスリーパー。1日を通してみても、人間の半分程度しか寝ていないのは意外ですよね。

なぜ、牛は長時間寝ないのかというと、それには牛の体の構造が関係しています。

成牛は体重500kgを超える大きな体をしており、人間のように横になったまま寝返りをするのは簡単ではありません。寝返りがうまくできないと、体の下敷きになった肢がうっ血してしまいます。最悪の場合は神経がマヒして起立不能になるリスクもあります。

肢のうっ血を防ぐために、横臥中でも5分に1回は肢を動かしたり、睡眠中でも3時間に1回は立ち上がって寝返りをしたりしているのです。

半日以上寝たきりの牛がいるときは、体の調子が悪い証拠かもしれません。なるべく早めに獣医師の診察を受けることをおすすめします。

採食時間は意外と短い

牛の採食時間は1日あたり約3時間で、人間の食事時間と同じくらいの長さです。

牛は1日中口をモグモグしているように見えますが、あれは次に説明する「反芻」という行為です。草を口の中へと運ぶ「採食」行為は、2〜3時間程度にすぎません。

反芻時間は1日10時間

牛は1日の大半を反芻しながら過ごす動物です。反芻とは、食べたエサを十分に消化して栄養を吸収しやすくするために行われる重要な過程です。

牛は、第一胃に入ったエサを再び口に戻し、よく噛んで細かくすりつぶすという行動をとります。牛の第一胃内には植物の細胞壁を破壊する能力を持った微生物が棲息しており、この微生物のはたらきを最大限に高めるために、一度食べたエサを何度も反芻して細かくしているわけです。反芻が繰り返されることで、エサの繊維質が分解されていくため、効率よく栄養を吸収できるようになります。

牛の反芻時間は1日あたり8〜10時間で、反芻中の咀嚼回数は1分あたり40〜60回です。採食中の咀嚼も含めると、牛の1日あたりの咀嚼回数は、多いときで5万回をこえる場合もあります。

搾乳時間は飼育頭数によりさまざま

牛の搾乳時間は、1日あたり5時間前後となるのが一般的です。飼養頭数や搾乳システムによって差はあるものの、2〜3時間の搾乳を朝と夕方の2回行うという農家さんが多いです。

搾乳される側の牛は基本的には起立状態で、自分の順番がくるまでエサを食べたり反芻したりしています。

家畜の排泄物の量とタイミングについて

牛は起立直後のタイミングで排泄することが多いものの、基本的には所構わず用を足します。

牛の1日あたりの糞尿の概算量は次の通りです。

糞量(kg/日) 尿量(kg/日) 合計(kg/日)
搾乳牛 46 13 59
乾乳牛 30 6 36
肉牛 18 7 25

牛の排泄物の量は、品種・年齢・飼料・飼養形態・季節・飲水量など、さまざまな要因によって大きく変化しますが、おおよその量を把握しておくと牛の異変にいち早く気づける可能性が高まります。

ちなみに繁殖豚の排泄物量は10kg/日、成鶏の排泄物量は100g/日となっており、他の家畜と比較しても牛の排泄物量は多いことが分かります。

まとめ

牛は1日の約半分を起立状態で過ごし、もう半分を横臥状態で過ごしています。横臥といっても睡眠時間は4時間程度で、ほとんどの時間は食べたものを反芻したり体力を回復させるための休息に使われています。

牛の1日の過ごし方を理解しておくと、適切な飼養管理の役に立つだけでなく、怪我や病気の早期発見にもつながります。今回の内容を参考にしながら牛を観察してみると、今まで以上に牛に寄り添うことができますよ。